総合介護 IKKIニュース
国際グラフ」2005年12月号掲載
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対談
■総合介護IKKI
代表取締役 岩見淳子
ゲスト 藤波辰爾〔新日本プロレス取締役〕
日常生活の支援からレジャーまで
お困りのことは何でもサポートします
藤波 聞くところによると、総合介護を請け負う会社として今年5月に立ち上げられたばかりだそうですね。まずは設立の経緯からお聞かせ願えますか。
岩見 私はもともと介護保険を扱う会社に勤めていたのですが、介誰を受けられる方の実態を知るうちにお客様のニーズと保険制度とのギャップを感じるようになり、そこで制度に縛られずお客様が本当に望んでいらっしゃることに対して誠実にお応えできる事業をと思い独立した次第です。通常このような事業所はケアマネージャーが介護プランを作成するのですが、私どもでは敢えてケアマネージャーを置かずマニュアルにも捕らわれません。会社全体がケアマネージャーであることを目指し、制度では補えない部分まで幅広いサービスをご提供していきたいと考えています。
藤波 幅広いサービスとおっしゃいましたが、具体的にはどのようなことを。
岩見 例えば指定訪問介護保険事業所「きびだんご」として、介護保険を利用したサービスを24時間体制で行っています。また歯医者さんや美容師さんと提携し、お客様のご要望がありましたらお宅まで伺う訪問歯科、訪問整髪も行っており、他にも鍼灸・マッサージと提携させて頂いています。
藤波 それは面白いサービスですね。
岩見 制度の中だけで考えでいると気付きにくいことなのですが、実際ご高齢の方とお話をさせて頂くうちに歯科や美容院に行きたくてもなかなか行けないという悩みを持っていらっしゃることが分かってきましてね。生活する上で必要なものですからぜひ支援をと取り入れました。
藤波 気になるのは料金ですが、整髪の場合はおいくらですか。
岩見 男性が2,500円、女性が3,000円となっており、もちろんプロの美容・理容師が訪問させて頂きます。また私どもでは移送サービス「かご屋」も行っています。これは外出したいもののバスや電車に乗ることを億劫に感じるとか、車椅子なので自由に外出できない、車はあっても運転してくれる人がいないなど外出にお困りの高齢者や障害者の支援を行うものです。この分野では20年以上の経験を持つ統括部長が担当していますので、安心してきめ細かいサービスを受けてもらえればと思っています。
藤波 それも有り難いサービスです。具体的にどういった形で利用されるのですか。
岩見 通院やお買い物はもちろん、お孫さんに会いに、外食を楽しみに、あるいは展示会を鑑賞しに行くなど、日常のちょっとしたことからレジャーまで幅広くご利用頂いています。関東圏以外にも同行しており、これまでに新潟や長野、群馬などへ同行させて頂きました。
藤波 そのような遠くまでご一緒してもらえるのですか。高齢者や障害者にとって行動範囲が広がるということは良い気分転換になるでしようね。
岩見 こちらのサービスは会員制となっていまして、料金は30分1,000円、あとは距離に応じて1kmごとに100円と気軽にご利用できるよう設定しました。早朝や夜遅い時間帯でも喜んで伺わせて頂きますし、そのための割増料金などはございません。
藤波 本当に「かゆいところに手が届く」いろんなサービスを考えていらっしゃいますが、その分だけスタッフのご苦労もあるのではないでしょうか。
岩見 高齢者や障害者の皆さんは本当に大変で支援を必要とされているわけですから、そういった方々よりも大変なことはないと思っていますし、ご要望があればお断りせずにできる限りのことをさせて頂きたいと思っています。中には「靴下を履かせてほしい」というご要望だけのためにお伺いすることもあるのですよ。また外国のお客様もいらっしゃいますが、お互い言葉が話せないまま身振り手振りで何とかお世話をさせて頂いたり、中国の方とは漢字のやり取りで意志の疎通を図ったりと私どもも楽しみながら携わっています。
藤波 スタッフは何名おられるのですか。
岩見 社員4人の他にヘルパーが12人いまして、中には60歳以上のベテランスタッフも。これはどの事業所でも同じらしいのですが、ヘルパーの数が絶対的に不足していることが悩みの種ですね。
藤波 2007年問題を筆頭にこれからますます必要とされるでしょうから、ぜひとも共感して下さる方にご協力頂ければと思います。それでは最後に将来の展望や目標をお聞かせ下さい。
岩見 何か困った時にはすぐ私どもの社名やスタッフの顔が思い浮かぶような存在を目指して邁進したいと思います。そして将来的には高齢者や障害者の皆さんが、「自分が必要とされている」ことを感じて頂けるようなサービスでサポートしていきたいと考えています。皆さん自分が大切にされていると実感する時は多々あると思うのですが、日々の生活の上で本当に生き甲斐を感じるのは「必要とされる」ことだと思うのですね。ですから仕事として得意な分野を生かしたり、高齢者と孤児がお互い面倒を見合うようなネットワークづくりの場を提供していきたいですね。
藤波 とても素敵な夢ですね。そのような場が1日でも早く実現するよう、今後より一層のご活躍を期待しています。